婦人科疾患全般の相談・検査・治療を行っております。更年期障害の治療などもご相談ください。
子宮がん検診の実施医療機関に指定されておりますので、市町村が交付する受診券を使用できます。
定期的な検診をお勧めいたします。また、不妊については体への負担の少ない治療から開始し、できるだけ自然に近い形での妊娠がのぞめるよう治療を行っております。

婦人科一般外来
がん検診
婦人科がんには、主に子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの3種類があります。それぞれの特徴的な症状と検査方法について説明します。
1. 子宮頸がん
◼︎症状
- 初期はほとんど自覚症状がない
- 不正出血(特に性交後の出血)
- おりものの増加や異常(血が混じる、悪臭を伴う)
- 下腹部痛や腰痛(進行すると現れる)
◼︎検査方法
- 子宮頸がん検診(細胞診):子宮頸部の細胞を採取し、異常の有無を調べる
- HPV検査:ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有無を確認
- コルポスコピー(拡大鏡検査):異常が見られた場合に行われる精密検査
- 組織診(生検):がん細胞の有無を確定するために組織を採取
2. 子宮体がん
◼︎症状
- 不正出血(特に閉経後の出血)
- おりものの異常(ピンクや茶色の分泌物)
- 下腹部痛や腰痛(進行時に現れる)
- 排尿・排便時の違和感
◼︎検査方法
- 子宮内膜細胞診:子宮内膜の細胞を採取し異常を確認
- 経膣超音波検査:子宮内膜の厚さや異常をチェック
- 子宮内膜組織診(生検):組織を採取してがん細胞の有無を調べる
- MRI・CTスキャン:がんの進行度や転移を確認
3. 卵巣がん
◼︎症状
- 初期はほとんど症状がない
- 下腹部の膨満感や違和感
- 食欲不振や早期満腹感
- 体重減少や倦怠感
- 頻尿や便秘(腫瘍が大きくなると圧迫症状が出る)
◼︎検査方法
- 経膣超音波検査:卵巣の腫れや腫瘍の有無を確認
- 腫瘍マーカー検査(CA125など):血液検査でがんの可能性を調べる
- MRI・CTスキャン:がんの広がりや転移を確認
- 組織診(生検):がん細胞の確定診断
当院では子宮頸がん予防のためのHPVワクチンの接種も積極的に行っています。また、不正出血や腹部の違和感など気になる症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。
不妊症外来
不妊症とは妊娠を希望して、1年以上避妊せずに性交を行っても妊娠に至らない状態を指します。日本では約20%のカップルが不妊に悩んでいるといわれています。
不妊症外来では、不妊の原因を特定し、適切な治療を行うために、さまざまな検査と治療が実施されます。以下に、一般的な検査と治療の流れを紹介します。
今後の治療がスムーズに行えるよう、当院では基礎体温表を1‐2カ月つけてからの受診をお勧めします。
1. 不妊症の主な検査
不妊症の原因を特定するために、女性・男性それぞれの検査を行います。
◼︎女性の検査
- 基礎体温測定:排卵の有無を確認
- ホルモン検査:FSH、LH、E2、プロゲステロン、甲状腺ホルモン、プロラクチンなど
- 超音波検査(エコー):子宮や卵巣の状態を確認
- 子宮卵管造影(HSG):卵管の通過性や子宮の形態異常の有無を確認
◼︎男性の検査
- 精液検査:精子の数、運動率、形態を評価
2. 不妊治療の種類
検査結果をもとに、適切な治療方法を選択します。
◼︎タイミング法(軽度の不妊の場合)
- 排卵日を予測し、自然妊娠の確率を高める
- 排卵誘発剤を使用する場合もある
◼︎人工授精(AIH)(精子の運動率が低い・性交障害がある場合など)
- 精子を洗浄・濃縮し、子宮内に直接注入
◼︎*体外受精(IVF)(卵管閉塞・重度の男性不妊など)
- 卵巣から卵子を採取し、体外で受精させ、胚を子宮に戻す
◼︎*顕微授精(ICSI)(重度の男性不妊など)
- 1つの精子を卵子に直接注入し、受精を補助
◼︎その他の治療
- 子宮内膜症・子宮筋腫の治療(薬物療法・手術)
- ホルモン療法(排卵障害・高プロラクチン血症など)
*体外受精・顕微授精が必要な場合は他医療機関にご紹介します
不妊治療は個々の状況に応じて異なります。専門医と相談しながら、最適な方法を選ぶことが重要です。
更年期外来
◼︎更年期障害とは
◼︎主な症状
身体的な症状
- ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)
- 発汗(特に夜間に大量の汗をかく)
- 冷え・動悸(体温調節が難しくなり、急に寒く感じたり、動悸がすることがある)
- 頭痛・めまい
- 関節痛や筋肉のこわばり
- 不眠
身体的な症状
- イライラしやすくなる
- 気分の落ち込み・うつ状態
- 集中力や記憶力の低下
- 不安感・焦燥感
◼︎原因
エストロゲンは自律神経や感情のコントロールに関わる重要なホルモンであり、その不足によってさまざまな不調が引き起こされます。
◼︎治療法
症状に応じて、以下の治療法を行います。
- カウンセリング
- 生活習慣の改善
- ホルモン補充療法
- 漢方薬の使用
◼︎当院での更年期障害に対する治療
- プラセンタ注射(ヒト胎盤より抽出):1回/週
- ホルモン剤の内服
- エストロゲン・黄体ホルモンを使用します。
- ただし、ホルモン療法により、子宮体がんや乳がんの発症リスクがわずかに上昇する可能性があるため、危険性の低いホルモン剤を選択し、症状に応じて漢方薬などと組み合わせて治療を行っています。
避妊相談
避妊方法にはさまざまな種類があり、それぞれの方法には特徴やメリット・デメリットがあるため、当院では患者様に最も適した治療を勧めています。
1. 低用量ピル(経口避妊薬)
ホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)を含み、排卵を抑えたり、子宮内膜を薄くしたりすることで避妊効果を発揮します。
メリット
- 高い避妊効果(正しく服用すれば99%以上)
- 過多月経・排卵痛・月経痛の軽減、月経周期の安定、肌荒れ改善などの副次的効果
- PMSの治療としても効果あり
デメリット
- 毎日決まった時間に服用する必要がある
- 血栓症のリスク(喫煙者や高血圧の人は注意)
- 医師の処方が必要
2. 緊急避妊ピル(アフターピル)
避妊に失敗した際に、排卵を抑制したり受精卵の着床を防いだりするホルモン薬。性交後72時間以内に服用する必要がある。
メリット
- 望まない妊娠を防ぐ最後の手段
デメリット
- 100%の避妊効果はない(約80〜90%)
- 服用後に吐き気や不正出血が起こる場合がある
- 緊急用であり、常用するものではない
3. 月経移動
低用量ピルを利用して生理のタイミングをずらす方法。旅行やイベント時に生理を避けたい場合に用いられる。
メリット
- 生理日を自由に調整できる
デメリット
- 事前に準備が必要(生理開始予定日の少なくとも1週間前には相談)
- 人によってはホルモンの影響で不正出血や体調不良が出ることも
4. 避妊リング(IUD/IUS)
子宮内に小さな器具を挿入することで、受精卵の着床を防ぐ避妊方法。
メリット
- 一度挿入すれば数年間避妊できる(IUDは1.5〜3年、IUSは5年で月経困難症や過多月経の改善にも効果あり)
- 低用量ピルのように毎日服用する必要がない
デメリット
- 医師による処置が必要
- 人によって、IUDは月経量の増加や痛みを伴うことがある
5. 避妊手術
避妊手術には、男性の精管切除術(パイプカット)と女性の卵管結紮術があります。どちらも永久的な避妊方法。
メリット
- 一度行えば半永久的に避妊可能
デメリット
- 元に戻すのが難しいため、慎重な判断が必要
- 手術費用がかかる
まとめ
どの避妊方法が最適かは、ライフスタイルや健康状態によって異なります。短期的な避妊なら低用量ピルやコンドーム、緊急時はアフターピル、長期的なら避妊リングや手術など、それぞれの特徴を理解して選ぶのが大切です。
中絶相談
中絶手術
(麻酔標榜医による痛みの無い全身麻酔を行います)
手術
一般婦人科手術(子宮筋腫、卵巣腫瘍 他)
その他
術後のエステ、アロマテラピー、酸素カプセル